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iPaaSとは何?導入するメリットやどんな製品があるのかを解説します

今回は、最近盛り上がってきている iPaaS ( Integration Platform as a Service ) について、じっくり解説していきます。

今まで知らなかった方も、「名前は少し聞いたことがあるな・・・」という方も、次世代の業務自動化である iPaaS について理解を深めていただければなと思います。

iPaaS とは何か?

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ガートナーによると

Integration Platform as a Service (iPaaS) は、個人または複数の組織内で、オンプレミスとクラウドベースのプロセス、サービス、アプリケーション、データを任意の組み合わせで接続する統合フローの開発、実行、ガバナンスを可能にするクラウドサービスのスイートです。

とあります。(訳)

もう少し柔らかく説明すると、分断されているアプリケーション間に iPaaS を介入させることで、アプリケーションを相互に接続し、データ統合、システム連携を実現するサービスのことです。

iPaaS の 読み方は 「アイパース」です。

iPaaS はなにが出来るのか? 

iPaaS とは Integration Platform as a Service の略称で、分断されているアプリケーション間に iPaaS を介入させることで、アプリケーションを相互に接続し、データ統合、システム連携を実現する

と言われてもあまりイメージがしづらいですよね..。
ここで少し iPaaS を活用した具体的なユースケースを挙げていきます。

1. Zapier のユースケース

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有名な iPaaS に Zapier があります。

Zapierの読み方は「ザピアー」です。

一部でザピエルと言われていますが、違います、ザピアーです!(この記事で一番重要なポイント)

というのはさておき、Zapier (ザピアー) の中でもポピュラーな連携例として

Gmail で添付されたファイルを Google Drive にアップロードする

といったユースケースがあります。

例えば、請求書を Gmail で受け取ったら 経理用のフォルダに PDF を入れるみたいな事が実現できます。

2. Workato のユースケース

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Workato は Zapier よりも複雑なワークフローを組むことができるエンタープライズ向けの iPaaS です。

このユースケースでは

Salesforce で添付ファイル付きの商談が作成されたら、Dropbox で IDが一致するフォルダを検索し、まだ存在しない場合は新しいフォルダを作成して添付ファイルを Dropbox にアップロード

といった、複雑なワークフローを組むことができます。

iPaaS はなぜ盛り上がっているのか?

iPaaS はなぜ盛り上がってきたのでしょうか?

それはクラウドサービス( SaaS )の急激な進展と普及に起因すると考えられています。

SaaS の急激な進展と、普及

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Software is eating the world.  この言葉をご存知でしょうか?

10年ぐらい前に、マーク・アンドリーセン ( Mosaic やNetscape Navigator などを開発したアメリカの実業家、投資家 )が提唱した概念です。

Webだけで閉じていたサービスが、リアルな世界にもどんどん侵食し始めてきており、その速度は加速し続けています。

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その一つがSaaSの浸透です。

従来まで個社毎に合わせたパッケージソフトをオンプレミスで導入していたものが、Salesforce や SmartHR をはじめとして、各領域に特化した SaaS への移行が進み始めています。

Anyflow_営業資料_for_SalesManager

SaaS として提供されることで、従来のパッケージソフトよりも安く、早く導入することが出来るようになりました。

その結果、国内における SaaS 利用率は 56.9%、一社あたり 23のサービスが導入されるようになりました。

SaaS が普及した事で統合の課題が生まれてきた

一方でSaaS が普及した事により、データの所在がバラバラになり、データが点在することになってしまいました。

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顧客データは Salesforce に入っている、いや一部 kintone に入っていたな、従業員データは freee と SmartHRに.. といった具合です。

データが点在することで、一つの SaaS に入っているデータを転記したり、データ加工した上で他の SaaS にデータを入れるといったことが行われるようになりました。

複数の SaaS が使われることが当たり前になってきたため、 SaaS ベンダーは API を公開し、SaaS 間をシームレスに統合しようとする流れが出てきています。

データ連携するためにAPI を用いた開発は、人件費は高額になり時間もかかるため、自社で開発するのではなく iPaaS を利用する方がより速く、より効率的な場合が多いのです。

iPaaS を導入するメリットは何か?

商談情報や顧客情報 Salesforce 、一部 kintone に入っている、MAツールはxx を使っていて、請求書は freee請求書 等、複数の SaaS を使っている..、そんな企業は多いのではないでしょうか?

iPaaS の導入メリットはデータ連携、業務自動化の開発工数が削減できること

これらの SaaS を一元管理し、業務の効率化を図るには、各 SaaS 間でデータを受け渡すためのプログラムを開発する必要が生じます。

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データ連携ができたとしても、データの受け渡しがシームレスにできなければ運用面でこれまでより大幅な工数がかかってしまいます。

iPaaS を活用すると、 No-Code (ノーコード)、Low-Code (ローコード) で、データ連携を実現することが可能になります。

No-Code、 Low-Code とは、プログラミングレスもしくは少しのコードを書くだけで、従来まではコードを書かなければ実現できなかった事が実現できることを指します。

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データ連携の工数を削減することが可能になるので、課題解決の実現サイクルを短縮できるようになります。

また、これまで社内のエンジニアに依頼していたレポート作成や、外注していたデータ連携等の業務を、非エンジニアが実現できるようになり、組織の構築においても恩恵が受けられます。

iPaaS と RPA の違いは何か?

業務の自動化という文脈でよく RPA ( Robotic Process Automation ) と何が違うか、というのが話題になります。

RPA とは、一言で説明すると、ロボットに PC の操作を覚えさせ、自動的にかつ高速に業務を自動化させるソフトウェアのことです。

iPaaS も RPA が自動化している業務を自動化することはできますが、何が違うのでしょうか?

iPaaS と RPA の決定的な違いは、マウスの操作か API の操作か

簡潔に説明すると、RPA はマウスの自動操作、iPaaS は API (Application Programming Interface) の操作をするという違いがあります。

RPA はコンピュータにおけるマウスを自動的に操作したり、キーボードを自動的に操作をして、コンピュータの前にあたかも透明人間がいるかのような自動化を実現することができます。

デジタルレイバー(仮想労働者)と言われたりもします。

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一方で iPaaS は、操作対象になる SaaS 等の API を活用し、マウスやキーボードで操作するのではなく、API による操作でデータの連携や業務の自動化を実現します。

iPaaS のメリットと RPA のデメリットは何か?

同じ自動化ができるのであれば、iPaaS と RPA をどう選んだらいいのでしょうか。

iPaaS と RPA の違いは API を活用しているか、マウスやキーボードを操作しているかという違いですが、実際どのようなメリットとデメリットがあるのかをご説明します。

RPA は頻繁に更新される SaaS や Webサイト の操作には向かない

頻繁に更新される SaaS や Web サイトの操作には向かないというのはどういうことでしょうか。

仮に Google 検索をする RPA ロボットを作ったと仮定します。

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↑ この状態でロボットを作ったとします。

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上部の画像をよく見てください。

ロボットを作った数日後に Google の検索ボタンの位置が変わってしまったとしましょう。

この時、RPA のロボットは、作られたときのボタンの位置を探しに行くので、新しい検索ボタンを見つけられず、ロボットが止まってしまいます
(正確に言うと HTML 構造がまったく変わらなければ止まらない場合もある)

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SaaS や Web サイトの画面が変更されるタイミングはコントロールできません。

つまり、RPA は外部サイトが頻繁に変更されるようなサービスの自動操作はロボットが止まってしまうため、得意では有りません。
(自社で管理しているサイトや、オンプレミスのサービスは頻繁に変更されないので問題ないが、更新をコントロールできない操作には不向き)

一方で iPaaS は 今回の例で言えば Google が検索用の API を用意しています。
API は公式的に用意されているものなので、外部の開発者が使う用途で Google が公開しています。

この API はたくさんの開発者が使っているので、変更がある際には事前にアナウンスがされたりします。
iPaaS であれば、「急に明日動かなくなる」といった事態は防げる可能性が高いのです。

RPA のメリットと iPaaS のデメリットは何か?

iPaaS は API を活用し、RPA はマウスやキーボードの操作という違いがありました。

iPaaS は SaaS ベンダーが開発、公開している API を使っています。
つまり、その SaaS に API が存在しなければデータを取得したり、書き込んだりすることはできません。これが iPaaS の最大のデメリットです。

一方、RPA は API を使わずに操作をすることができますので、API が存在しないアプリケーションの自動操作も可能です。

オンプレミスのソフトウェア等には API が備わっていないケースも多々あり、所謂「レガシーシステムの自動操作」に RPA は力を発揮します。

これらのRPA のメリットと iPaaS のメリット を両方兼ね備えたプロダクトが最近登場したりしています。

iPaaS には種類がある? iPaaS にはどんな製品があるのか?

iPaaS は抽象的な概念であり、いくつか種類が存在します。

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(  CData Software Japanさんのブログから引用 )

iPaaS は海外で普及し始めたサービスのため、現在の主要な iPaaS の多くは海外製です。

日本で開発された iPaaS は少なく、国産の SaaS との連携が弱い、サポートが英語しかない、UI やヘルプページも英語のみといった課題が存在します。

国内に置ける iPaaS 市場は徐々に広がりを見せていますので、今後の成長に注目です。

ここからは、具体的な iPaaS の製品を種類別にご紹介していきます。

iPaaSの種類その1 レシピ型

レシピ型というのは、一連の処理がまとめてあり、データ連携の専門的な知識を持っていない非エンジニアでも簡単に利用できるのが特徴です。

その多くは、イベントドリブンで連携するサービスです。

トリガーと呼ばれるワークフローを動かすきっかけがあり ( Salesforce でリードが作成された、毎月1日になったら、Gmail のメールを受信した等)、そのイベントをきっかけに稼働するタイプが多いです。

国産のレシピ型 iPaaS 

Anyflow (エニーフロー)

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Anyflow は 非エンジニアをターゲットにした、かんたんな UI で国産 SaaS と海外の SaaS を跨ぐデータ連携を実現できる業務自動化プラットフォームです。

日本の企業向けに設計されているため、国産 SaaS と 海外の SaaS を柔軟に組み合わしたレシピを提供していることが特徴です。

Salesforce の商談がクローズされたらクラウドサインで契約書を送り、締結されたら freee の請求書を送信する、といった事が実現できます。

Anyflow の特徴

- 国内 SaaS との親和性が高く、海外 iPaaS では対応できないサービスにもつながる
- 日本人向けのインターフェース、日本語によるヘルプページやサポートの充実
- 国内固有の業務フローのレシピを兼ね備えている

といった特徴が挙げられます。

2020年1月にはグロービス・キャピタル・パートナーズ、グローバル・ブレイン、Coral Capital より 2.2億円の資金調達を実施しています。

ActRecipe (アクトレシピ)

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ActRecipe は財務会計領域に特化したエンタープライズ向けの iPaaS です。

ActRecipe の特徴

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- レシピを選ぶだけの簡単操作で、データ連携を実現
- 柔軟な価格設定
- 財務会計領域に特化しており、コンカーや BlackLine との連携

といった特徴が挙げられます。

海外のレシピ型 iPaaS

Zapier (ザピアー)

冒頭でも紹介しました Zapier (ザピアー) 。

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Zapier は2011年に創業されたスタートアップ企業です。

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2012年のリリース時には25種類だった接続できるサービスは、現在は2000サービスにまで拡大しています。

他の iPaaS プロダクトと同様、コードを記載する必要はなく、業務の自動化を実現できます。

こちらの記事にて、創業者兼CEOである Wade Foster 氏によると、Zapier は中小企業向けに作られた製品であるため、値段も安価で使い始めることが可能です。

複雑なワークフローを組んだり、企業がガバナンスやセキュリティを意識する場合、別のソリューションが選ばれるケースが多いです。

Workato (ワーカート)

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workatoは2013年に創業されたスタートアップ企業です。

こちらもレシピ型の iPaaS で、定型化された一連のワークフローを自分で組むことなく実行することが可能です。

Zapier よりもハイエンドで、よりエンタープライズを意識しているプロダクトになります。

Zapier との違いとして、Workato の公式ブログでは以下のように言及されています。(訳)

人気のあるスターター・プラットフォームは Zapier で、多くのビジネス・ユーザーが「ザップ」やシンプルな統合を構築するために利用しています。しかし、Zapier を使うのは、トレーニング用の車輪をつけて自転車に乗るようなものです。初心者には便利ですが、より多くのことをしたいと思ったときには、必然的にこのプラットフォームが限界になってしまいます。多くのユーザーが最終的には制限されてしまいます。
ザップの実行が停止したり、エラーが発生したりしたときにデータを失うことを恐れている。
if-then」シナリオやルールの例外など、複雑なビジネスロジックを考慮する必要があります。

Zapier はあくまでも初心者向けであり、より多くのことを実現したいと思った時に、Workato が有用なようです。

特徴としては

- エラー処理、データがより堅牢的に保持されている
- 条件分岐や例外処理等の、より深い業務の自動化が可能
- セキュリティが堅牢

といったことが挙げられます。

iPaaSの種類その2 ETL/ELT型

ETL/ELT 型は、データウエアハウス(DWH)にそれぞれ点在した SaaS やオンプレミスのデータベースからデータを読み込み、集約することをメインに設計された製品です。

データパイプラインと呼ばれることもあります。

AWS Glue 

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AWS Glue は名前の通り、AWS が展開しているサービスです。

公式HPからは以下のように説明されています。

AWS Glue は抽出、変換、ロード (ETL) を行う完全マネージド型のサービスで、お客様の分析用データの準備とロードを簡単にします。AWS マネジメントコンソールで数回クリックするだけで、ETL ジョブを作成および実行できます。AWS Glue では、AWS に保存されたデータを指定するだけで AWS Glue によるデータ検索が行われ、テーブル定義やスキーマなどの関連するメタデータが AWS Glue データカタログに保存されます。カタログに保存されると、データはすぐに検索かつクエリ可能になり、ETL に使用できるようになります。

データベースやログデータを集約し、データ分析に活用することが可能になります。

国内では Troccoreckoner 等の製品があります。

iPaaSの種類その3 EAI型

ETL/ELT型 と一緒に ETL と呼ばれることも多く、分類が難しいのですが..。

iPaaSの種類その2 ETL/ELT型 との差は、分岐処理、ロジックなど多様かつ高機能な処理が可能な点です。
価格は他の iPaaS の製品よりも高くなる傾向があります。

Dataspider Cloud (データスパイダークラウド)

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公式サイトによると

DataSpider Servistaはデータ連携フローの作成にGUIを採用。データの入出力はもちろん、変換や加工に必要な処理もアイコンのドラッグ&ドロップで行なえます。「固定長の受注ファイル→製品マスターと照合→SQL Server へ格納→完了報告をメール送信」という処理フローなら、Javaで開発すると約14000ステップ必要ですが、DataSpider ServistaのGUIで設定すれば、わずか13個のアイコンを並べてつなぐだけ。つくらずに「つなぐ」ことで、開発や運用コストを大きく削減できます。

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特徴としては

- データ連携を技術なしにつくらずに「つなぐ」
- 豊富な接続先
- 大容量データを高速に

といったことが挙げられます。

海外製品だと Dell boomiInformatica などの製品があります。

iPaaSの種類その4 ESB型

ESB はEnterprise Service Bus の略で、稼働している様々な種類の情報システムやソフトウェアを連携させる基盤となるミドルウェアです。
SOA(サービス指向アーキテクチャ)を実現するためのツールのことを指します。

Mulesoft (ミュールソフト)

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公式サイトによると

MuleSoftは、オンプレミス、クラウド、またはハイブリッド環境で、すべてのアプリ、データ、およびデバイスの接続を推進するAPIと統合のための単一プラットフォームを提供します。

とあります。

Muelsoft は 2018年に約65億ドル(約6800億円)で、買収されたことで一躍注目を集めました。MuleSoft は2006年に創業し、2017年に上場しています。

顧客にはコカ・コーラやBarclays、Unilever などのエンタープライズ企業が中心で、1200社を擁しています。

Mulesoft にはいくつかの製品が存在しており、その中の一つに MuleSoft Anypoint Platform があります。

特徴的なのは純粋なデータ連携が実現できる以外にも

- APIの設計・開発・管理
- 各API・マイクロサービスの連携・データインテグレーション

Mulesoft で API を作り、外部の API を相互につなぐといった、より高度なデータ連携が実現できます。

非常に高機能なため、値段も他の iPaaS の製品と比較しても高額です。

まとめ

- iPaaS は点在したシステムのデータ連携を実現するサービス
- iPaaS は SaaS の普及に伴ってニーズが増していく
- iPaaS の導入メリットは開発コストの削減、人でしかできないことにフォーカスできること
- iPaaS と RPA の違いは マウス、キーボードの自動操作か API の操作か
- iPaaS とはいえどいろいろな種類がある

日本の労働人口は毎年減少しており、これからも企業は少ないリソースを活用し、いかに効率的に事業を成長できるか、というのが競争力になってきます。

自動化できるものは自動化を、人でしかできないことにフォーカスを当てることが更に重要になってきます。

SaaS や iPaaS も導入する目的をはっきりさせ、目的と手段が逆転しないように自社にあった製品を選ぶことが重要です。

最後まで目を通していただいてありがとうございました!

-- CM --

Anyflow では、国産 SaaS 、海外 SaaS を絡めた業務をかんたんな操作で自動化できるプラットフォームを提供しています。

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